黒羽のガードは堅いからね。
ばれたら私はすぐにでも金代組を継がなければならなくなる。
それは嫌だ。高校までは自由に過ごさせてもらう約束だから。
「どうするんだ?それに見つけたとしても仲間になってくれなかったらどうするつもりなんだ。」
「その場合は、排除するしかないでしょう。」
唐突に影乃先輩がそう呟いた。
つまりは、潰されるということかな?
私は無意識に少し殺気を出してしまっていたらしく、皆に見られてしまった。
「おい、つぼみ。どうかしたか。」
直人に顔を覗き込まれて私は殺気を出していたことに気が付いた。
「あ、すいません。ちょっと気がかりなことがあったのでこのまま帰らせてもらいます。」
私が立ち上がると、伊川先輩が
「俺が送っていくよ。」
「いいです、家以外にも寄るとこあるんで。」
私はそういうと歩き出した。
「姫だっていう自覚はあるのか?」
海人先輩がぽつりとそう呟いた。
「一応は。」
「お前は俺の妹になって、しかも全国No.1の姫になったんだ。それに、俺はただ、お前のことが心配なんだ。血は繋がっていなくとも兄妹になったんだからな。」
海人さんはそう言って立ち上がった。
「今日は俺が送っていく。兄貴としてやるべき仕事だからな。」
海人さんは私の頭を撫で、扉の方まで歩いて行った。
「わかりました。」
私は髪を直し、海人さんに続いて屋上の扉を開けて行った。
「海人さん、こんな妹でいいんですか?」
「どういうことだ?」
「私は、金代組組長の孫だし。叔父さんたちには恨まれてるのに。」
海人さんは立ち止まってまた頭を撫でて言った。
「お前だからこそだ。周りのことなんて関係ないだろう?俺の母さんと父さんは俺のせいで死んだんだ。みんなそれぞれに闇を抱えてるんだから、どうということは無いさ。」
海人先輩は寂しそうな表情で笑った。
そうか、みんなそれぞれに抱えているものがあるんだ。
私だけではないのか。
そう思うと少し気が楽になった。
♪~~♪~
携帯が鳴り、画面を見てみると明日斗さんからラインが来ていた。
「ちょっとすみません。」
私は海人さんにそう告げて少し離れたところに来た。
"昨日言っていた件だが今日中に潰せ。"
黒竜の話か。どうしたんだろう?とりあえず今日中にやればいいんだな。
帰ってからどうにかして抜け出すとするか。
「すいませんでした。直哉さんから体調の具合を聞かれたので返信してました。」
海人さんは納得してなさそうだったがとりあえず、帰ることにした。

