幸せになりたい






学校へ行く用意が終わったと同時に家のチャイムが鳴った。

「いってきます。」

家を出ると伊川先輩たちが家の前で待っていた。

もしかしてバイクで行くの?

「つぼみ、おはよう。早く乗れ。」

伊川先輩はそう言って私にヘルメットを投げた。

「おはようございます。ここから10分なのにバイクを使うんですか?」

「時計見てないのか?あと5分で遅刻だぞ?」

「本当ですか!?」

全然知らなかった。

それなら早く乗らなきゃ。

私は伊川先輩の後ろに乗り先輩の腰に手をまわした。

「行くぞ。」

伊川先輩がそういうとバイクは走り出した。

それからすごいスピードで学校に着いた時にはあと3分で予鈴がなるところだった。

まさか歩いて10分かかる道のりをバイクで2分だとは。

恐るべし緋向のバイク。

バイクを駐輪場にとめ、走って各自の教室まで来た。

「あぶなかったな。」

女好きの楓がそう言ってきた。

「うん。」

席に着こうとしたところで今まで私が座っていたところにあるはずの机と椅子がなくなっていた。

「私の席がない。」

私がそういうと廉と楓、直人は周りの奴らを見て言った。

「誰だ。」

楓が今まで聞いたことがないくらい低い声でそう言った。

女どもはこんな様子の楓を見たことがないらしく青い顔をして震えていた。

きっとこんなことをしたのは昨日話しかけてきたやつらだろうな。

案の定そちらを見てみるとガタガタと震えていた。