屋上には誰もいなかった。
私は屋上で1番お気に入りの場所に寝転がって空を見上げた。
こんな天気のいい日は母さんのことを思い出す。
私はいつの間にか眠っていたらしく、夢の中にいた。
そこには泣き叫んでいる小さい頃の私がいた。
小さい私の前には血を流して死んでいる母さんがいた。
そこへお父さんがやってきて
「お前のせいだ!お前のせいで早苗が死んだ!お前なんか生まれてこなければ良かったんだ!」
いや!やめて!そんなこと言わないで!
わかっているから!私が母さんを殺したんだ。
「つ......ぼ......つ......み......つぼ.....み.....つぼみ!」
そこで私は誰かに呼ばれて目が覚めた。
私が目を開けると、そこには伊川先輩がいた。
「大丈夫か?どうして泣いてるんだ?それにうなされていたぞ。」
先輩は私を心配して言ったようだったが私はまだ誰にも話すことができないので黙っておくことにした。
「なんでもないです。」
そう言った声が酷くかすれていた。
「そうか。無理には聞かない。お前が話したくなったら俺に言え。わかったな?」
伊川先輩はそう言って私に手を差し伸べた。
私は素直に先輩の手を取って立ち上がった。
「今は何時ですか?」
「昼だ。つぼみ飯は?」
私はお母さんに持たされたお弁当のことを思い出して、教室に取りに行こうとしたが伊川先輩に止められた。
「教室に行くのか?だったら楓に持って来させればいい。」
伊川先輩は当たり前のようにそう言った。
「いいえ。私は姫になりましたけど、守ってもらおうとも緋向の方々をこき使おうとも思っていませんから。」
私はそう言って、教室にお弁当を取りに行った。

