そして、私の目からは堪えきれなくなった涙が出てきた。

そんな私を見て空閑くんはハッとした様子でしどろもどろと言い始めた。


「え、あ、えと…すまん。
今のは八つ当たりであって、えっと、
お前は悪くない。」


「…ふぇ?」


「え、あ、だから、
…照れ隠しだよ。
あぁ!もう!
風呂行ってくる!!
ごちそうさまでした。」


空閑くんはさっきよりもさらに顔を赤くして一方的に喋ってお風呂に行ってしまった。


…は、え??


…照れ隠し??


……かわいい。


“クール王子”っていうよりも、“ツンデレ王子”かな。

そんなことを呑気に考えながら、さっきまで空閑くんの座っていたところになんとなく目を向けた。

そこに置いてあるお皿は全部綺麗で少しも残さずに食べてくれていた。