ルリ、翼君は涙を流しながら聞いていた

大翔は言った

「お、れがあの時、秋と帰っていれば、あんな事にはならなかった。」

大翔は今でもあの時の自分を攻め続けている
でも涙をいくら流しても大切な人達が帰って来る訳じゃない
今の私じゃ大翔の心のしがらみを取ってはあげられない。


すると、明先輩の声が響いた

「大翔。いつまで過去に囚われるつもりだ?泣いたって死んだ人は戻ってきやしねーんだよ」

「なっ⁈俺は過去に囚われてなんかねーよ‼︎」

「いいや、囚われてるよ。あの時ああすれば良かったとか、どうすれば良かったとかは、亡くなった人を見下してる様なもんだ。」

「は⁈何言ってんだおめーは」

大翔が怒りに満ちた顔でそう告げる
緊迫した空気を切るように大きな音で理事長室のドアが開かれた。

「悪いけど大翔。それに関しては俺も明と同意見だな」

ドアの先にいたのは駿だった