「ルリ…」

ルリは、涙を流していた。

「大翔も何で私にあんな事伝えてなんて言ったの⁈私は伝言板じゃないの‼︎あんな事は自分で伝えなきゃ意味ないでしょ‼︎秋に…‼︎」

ルリが最後まで言い終わる前に言葉を遮ったのは、翼くんだった。


「ルリ‼︎お前だって言いたい事自分で伝えられてねーじゃねーか‼︎大翔を責める前に自分だって伝えろよ‼︎」


翼くんがそう言うと、ルリは無理に言おうとしているようだった。


「私は…」

「止めて!」


私は咄嗟に止めに入ってしまった。


「ルリは自分の伝えたい事は自分で伝えるの‼︎いくら私や大翔に伝えるのが怖くても、ちゃんと心の整理を付けて、伝えたい時に伝えるわ!そんなに無理に言わせようとしないで!」


言い合う私達を制する様に、明先輩の声が理事長室に響きわたった。


「いい加減にしろ‼︎大翔には話してある。まず大翔の話を聞いてから、そこら辺のゴタゴタを片付けろ」

明先輩が声を荒げる事はあまりなく呆気に取られてしまった。