放送で呼び出しされてから10分。
私達は驚きを隠せないでいた。
そこに居たのはー


「明、先輩…」

信じられなかった。
椅子に深く腰掛け、机に肘をついて手を組む様にしている姿は、何だか距離感を感じさせた。


何となく分かってはいたが聞いてみることにした。


「明、先輩。理事長は?」


明先輩は、少し後ろめたそうに視線を逸らした後、私達に告げた。


「俺が、この学校の理事長だ。」


皆も、少し同様した様だが、理解したみたいだった。



静かな静寂の後、心地よい低音の声が響く。


「何だよ。兄貴。中川には話してたんじゃねーのかよ」


声の主は、翼くんだった。