何事かと思って上を向くと、


「いたたたた~。うん?秋じゃね?」


見覚えのある顔に聞き覚えのある甘い声、明先輩だ。

寝起きのせいか少し寝癖がついていた。


寝起きの先輩見るの2回目だ。


やっぱりかっこいいなぁ。


「明先輩‼また寝てたんですか?」

私が、笑いながらそう聞くと、

「ああ。」

先輩は、甘い甘い笑みを浮かべた。


かっこいい‼︎そんなことを考えていたら、頭上から少しドスの聞いた声がした。


「誰あいつ。」


「ちょっと大翔、先輩何だから挨拶ぐらいしな!?」


大翔は不機嫌そうな顔をして、こんにちは、と挨拶していた。


大翔は何かひらめいた見たいに、笑いながら、私を抱きしめた。


「先輩、秋は俺の彼女なんで、手出さないで貰えます?」


「ちょっと、大翔っ!何言ってるの?ていうか手出されてないし。変な言い方しないで!」

大翔と言い合いをしていると、先輩は私たちをじっと見比べて言った。


「仲良いね。」

先輩は少し怖い笑みを浮かべて言う

「はっ?」

大翔は想像していなかった反応に少し戸惑ったようだった

そして先輩は冷たく言い放った

「別に秋が誰と付き合おうが俺には関係ないよ。」

「えっ、でもあんた…」

「あー、秋はな…」

私はドキッとした。続きが気になる。


あれ?でも何で私は、先輩の答えに期待してるの?

何で?


「好きだよ」

先輩の言葉に思わず声を小さくあげる

大翔は信じられないという顔をして、声を上げた

先輩の意外な言葉に私は一気に身体が熱くなるのを感じた。そして

「ただ、恋愛対象としてじゃあなくて、後輩としてだけどね。」

という、言葉に胸に締め付けられる様な痛みを感じた。


その言葉は、私の心にぽっかりと穴をあけた。


「何だよそれ。意味わかんねぇ。」

「何が意味わからないのか知らないけど、俺には関係ないよ。またね秋」


「先輩...」


「ん?どうかしたか?」


「何でもないです。」


「そうか」


先輩は、私の頭を撫でた後、笑って屋上を後にした。