「青羽ちゃんっ」 いきなり呼ばれた名前に心臓がびくりと震えた。家族以外に名前を呼ばれるのなんて何年振りだろう。 出来る限り平常心を保ちながら声のした方へ視線をやる。 ―『りえちゃん』、もとい津川さんだった。