動物は嫌いではない。



その本能が、少なくとも、食われる心配はないと感じていた。



もちろんそのまま、帰ることができた。





それからひと月も経っただろうか。


鹿目の部屋の前に、ひとりの青年が倒れていた。





布一枚の全裸だった。