「もしかして、彼女さん?奥さん??」


「クマオ、連れて帰りますので!!」


「はあ…」


確かに、このまま置いてはおけないし、居付かれても困る。

連れて帰ってもらえれば助かる。


けれど、本人の意思でなく、突然さらわれるようにいなくなるのは、勝手な話だが、寂しい気がした。


「どいつもこいつも!!嫌やって言うてるやんけ!!俺は!!鹿目と一緒におんの!!嫁にすんの!!」


「野生の熊が、何を訳のわからんこと言うてんの!?この人も困ってるやんか!?」


「クマコは!ただの幼馴染みで、一方的に俺の嫁になる気でおんねん!なあ、頼むわ!!かなめ!!」


今目の前で、自分の部屋で起こっているのは、なんだろう。


人間の姿をした熊???


が、


自分を挟んで揉めている????


どういうこと?????


「せっかく私も茄子の花食べてここまで来てんから!!連れて帰るまで動けへんで!!」