席を立つと、トイレの方まで誘導する彪賀。やや、足がおぼつかない。


「おっと」


と、


周りから見えにくい壁際に押しやられ、


壁ドンされた。


「はい…?」


目が座りかけている。


「はい!?」


「こんな、こんなことにならなかったら、もっと普通にしてたかったぞ。何でだ」


言って、


顔を近づけると、


唇を押し付けてきた彪賀。


見開いたまま、固まる鹿目。


と、


そのまま崩れ、うずくまった。


「う"え"え"え"」


「だ、大丈夫ですかっ!?」


はっ、と我に返り、


背中を擦る。


「鹿目さん、そんなに臭かったんですか?」


トイレに立った、また別の同期にどこからか見られてしまったらしい。


「し、失礼な!!」