インターホンが鳴った。


彪賀がクマオを引き取りに来たのだ。


「行けへんで、俺は」


「いいから!!出て行くの!!」


「い~や~や~!!」


玄関を上がった、小さな廊下にキッチンスペースがある。


部屋の入り口にあるドアにしがみつく。


「ふ~ん?お前か」


頭の上から足元まで、舐めるように見る。


「こんなオッチャンとこいくのイヤや」


「お…」


ぴきっ、と顔が強張り、ひくひくする彪賀。


と、


いきなり脇腹をくすぐりドアからひっぺがすと、一瞬で俵担ぎしてしまった。


力業は、やはり見た目だけではなかった。しかも脇腹が弱いのは動物も同じか。


鹿目1人ではここまでできなかった。


「やめやめやめ!!」