ピュア恋

「あっ、奈緒、次移動しなきゃ!遅刻しちゃうよ!」

時計を見ると授業まであと数分しかない。

「本当だ!早く行こう、寧々!」

急いで教室を飛び出すはずだった。

けど、誰かにぶつかってしまったみたい。

このままじゃ、頭をぶつける!

痛みに備えて目を閉じたけど一向に痛さは感じない。

恐る恐る目を開けてみると目の前には、同じ学校の制服が見えた。

「おい。なにやってんだよ。」

頭の上から聞こえた声は顔を見なくても誰かわかった。

なぜなら、昨日聞いたばかりだから。

「守川風?」

無意識の内に尋ねていた。

「そうだけど、早くどけよ。」