「なにやってんの?」

突如聞こえたのは、男の人の低い声だった。

「お前には関係ねぇだろ?さっさとどっか行けよ。」

私の手を掴んだまま男子生徒は低い声を出した。

も、もしかして、ケンカが始まったりしないよね?

「その子、イヤがってるから止めてあげたら?」

声の主を見上げてみると、

「守川 風?!」

目の前にいたのは、私と同じ学校に通う守川風だった。

クラスは違うけど、彼を知らない人は多分いない。

少し無愛想だけど、顔がカッコよくスポーツができるので女子から絶大な人気を誇っている。