不器用な愛を刻む















「ぎゃぁぁああ!!」

「っ、何者だ貴様ぁ…!?」

「……うるせェよ、雑魚が。」







───ザシュッ!







一方---隣町のある屋敷の前では

グロテスクな音と共に

血まみれの人の死体が散らばっていた。





───あの男の周りに。








息絶えそうな転がった男の首を
左手で掴み上げながら



振り回していた右手にある血に濡れた刀を
静かに下ろす。







「───椿はどこだ。」

「カ、ハッ…!し、知らねェ…!」

「大人しく言やァ…首は繋げといてやる。」







首無しなんて刺客の恥だぜ?






善は妖しく笑みを深めながら

ギリギリと首を絞める力を強める。








「っ、ガァ…ッ?!
し、下だ!下の監禁部屋、だ…!!」

「───下だな。」








善はそれを確認すると

一気にその男の首を締め上げて



…それから 息の根が止まったことを確認して


無造作に
ドサッ、と死体をその場に落として捨てた。







門番の役割をしていたであろう
その男達を全員片してから

善は静かに剣を鞘に収めて

屋敷の中へ足を踏み入れていく。







(………血生臭い屍共が。)








まだ善の侵入に気付いていないらしい
刺客の組織に


善は冷めた目をしながら


ゆっくりと奥へと進んでいく。








すると


1番奥に下に下がる階段を見つけ




善はそこで1度足を止めた。










(……人の気配がする。)








そう思い

善は静かに少しだけ首を動かし、



視線だけ後ろに向けた。







───まだ、誰もいない。








どのタイミングで出てくるつもりなのかと

善が思考を働かせて測っていると





すぐ側から



クスクス…と笑う声が聞こえた。