(---------!!)
…善が羽織りを脱ぐと
なんとそこには
血の色に変った布が
彼の右腕に---しっかり結ばれていた。
善の力んだ表情の原因は
これにあったのだ---。
「っ、善様お怪我を?!
今すぐ…すぐに手当しましょう!!」
「大したことねぇ。
騒がなくてもこの位すぐに治る。」
「--------いけません!!」
不意に
椿が善に向かって、そう大きな声を上げた。
その声に善は思わず
一瞬目を丸くしながら、彼女を見る。
椿はこれだけは譲るつもりがないらしく
強い目で---善を見上げていた。
「悪化する前に…直ちに処置します。」
「………。」
これも…彼女が彼を心配する故でのこと。
椿は、善の怪我を負っていない左腕を
軽く掴んで
椅子のところまで連れて行き
そこへ座らせる。
善は椿の行動に
仕方ないと思ったのか
抵抗も反論もすることなく
ただ従っていた。
…そして彼女の 処置が始まる。

