ー放課後 午後5時30分ー
カタカタカタカタカタ カタン

教室内には杏奈がパソコンに文字を打ち込む音しか響いていない。

ガラガラガラガラガラガラ カタン

「杏奈。」

カタカタカタカタカタ…

「杏奈〜?」

カタカタカタカタカタ…

「あーんなー」

カタカタカタカタカタ…

「よし!あとは家にある資料をまとめて…ホッチキスでとめて、あ、あの資料もまとめなきゃ…」

「杏奈ー?」

「うわぁぁぁぁっ!って、蓮也…?」

「幽霊でも見たような顔で見ないでよ…笑」

「いつからいたの?」

「うーん。5分くらい前から?」

「うそ…気づかなかった…
蓮也は終わったの?お仕事。」

「おかげさまで笑杏奈は?まだ仕事あるみたいだけど…」

「ごめんね。今日も行けそうにないや笑」

「大丈夫だよ。クリスマスは幹事が終わったあとの時間は俺がもらうから。あと次の日からお正月までの時間ももらった。」

「え?なにそれ…」

「今決めた笑一緒にいてくれる?
どうせ家帰っても1人で、いても仲間で。」

「いいじゃない、仲間。
私なんて…」

「親父もほとんどいないんだ。
母さんも仕事、仕事、仕事の毎日だし」

「私もだよ。ほとんど家に帰ってこないし笑慣れちゃったけどね笑
今日、うちくる?お兄ちゃんたち帰ってくるけど笑」

「行く!行く行く!絶対行く!」

「何回行くって言ってるのよ笑」

「4回、かな?」

「数えなくていいから笑荷物まとめた?」

「うん!行こ!」

「私の家だけどね笑」

「うん!」


ー30分後ー
「ここって、高級住宅街?」

「どうなのかな?」

「俺にもわかんない笑」

「私も。ここ曲がったらうちだよー」

「んー。」

「はい。着いたよー」

「ここって家だったの?!」

「うん?」

「ここ。杏奈の家?」

「うん!行こう?」

「うん…笑」


ピンポーン♪
「はい。栗田です。」

「杏奈です!」

「あぁ。杏奈様。おかえりなさいませ!」

「今日、客室空いてる?」

「すみません。あいにく、いっぱいでして…」

「そっか…」

「お友達でございますか?」

「はい。男の子なので、同じ部屋というのも私は別に大丈夫なんですけど、相手に悪いかなと…」

「俺は平気だよ?あ、栗田さん。
同じ部屋で大丈夫ですよ。俺笑」

「襲わないでくださいね?笑」

「大丈夫です笑」

「それでは、今から扉を開けますね!」

「ありがとう。栗田さん!」

「いえいえ。段差に気をつけてくださいね?」

「はい!」