あの日、あの時、あの場所で。

「西川さん。ちょっと来て!」

「え!?」

「いいから!」

そう言って連れてこられたのは、校庭の一番端の木の下。

「俺、グダグダ言うの嫌いだから単刀直入に言うね。
西川さん。ずっと前から好きでした。
もしよければ俺と付き合ってくれませんか?」

「…………お断りさせていただきます…」

「何その微妙な間!」

「なんでもいいけど、ごめんなさい。
てか、ずっと前からっていつですか!?
場合によっては返事変えますけど…」

「え、それ、いい方に!?」

「逆に決まってるでしょう?」

「えぇ!?でも、俺諦めないから!」

「そう。そうやって、諦めないっていう男の子、何十人もいたけど、一人も諦めなかった人なんていなかったよ!!
告白してくれて嬉しいし、諦めないって言ってくれてうれしかったけど!だけど!そんな嘘ばっかりの言葉なんか最初っからいらない!!
あなただけが悪いわけじゃないけど!!
そんなふうに、ほかの人みたいに嘘つきな告白なんか最初っからしないで!
勝手にひとりで想っててくれた方がよっぽどいいよっっ!!」

「……悪いけど。俺をほかの男と一緒にしないで。絶対あきらめない。絶対振り向かせてみせるから!待っててっ!」