ーその日の夜ー
｢で？杏奈。瑞江。観念しなさい。
あなた達一体何者なの？｣

｢えーっと、中学生…かな？あははー｣

｢杏奈っ。｣

｢ひぃっ。すみません…｣

｢美穂ちゃん。落ち着いて。
恭。杏奈ちゃんと付き合ってるの？｣

｢付き合っては、ない…かな。｣

｢なんというか…。｣

｢杏奈、説明下手でしょ。｣

｢好きではないかな…｣

｢おい。杏奈。お前、切り捨てられるぞ｣

｢えー…じゃあ、私が説明する！｣

｢うん。補足は俺がするから。｣

｢ありがと。ねぇ、美穂。藤崎くん。
この話聞いても、ひかないでね。
最低なやつだって思われるかもしれないけど…絶対に口外しないで…｣

｢あぁ。約束する。｣

｢当たり前よ！｣

｢ふふ…笑良かった…じゃあ、話す。
何も言わずに聞いてね。｣

｢｢うん｣｣

杏奈は息をスーッと吸うと、ゆっくり話し出した。

｢私は…西川財閥の令嬢で…。
上に２人お兄ちゃんがいるんだけど。
西川財閥って、グループがいくつかあるからお兄ちゃん2人と、本家と私でグループをまとめてたんだ。
一番上のお兄ちゃん、あ、海叶(ｶｲﾄ)って言うんだけど…海叶お兄ちゃんは、本家に一番近い西川カンパニーっていうところの社長さんをやってるの。
２番目のお兄ちゃんは、あ、綾翔(ｱﾔﾄ)って言うんだけど、綾翔お兄ちゃんは、その周りのSTARJAPANcompanyっていところの会長さん。笑
で、最後に私。一番数が多いけど、勢力の弱い企業が集まっているところをまとめてるんだ…。
さくらんぼ製薬と、スマイル工房って知ってるかな？そこの社長さんやってるんだ…。
でも…2年前…
まだ幼かった私が仕事を適当にやっていたが故に…ある事故が起きた。
正確には、事件…｣