翌朝。タイマーで目覚めた俺が始めに見たのは、栞の顔だった。
「うお!」
よくよく考えてほしい。
寝起きにいきなり幽霊のドアップである。
驚くのも必然だろう。
『おはよう、ミヒロ』
『お、お前。いつからそこに居たんだ?』
『ずっとだよ。私、寝なくても全然平気だし』
まあ、確かに高いびきかいてる幽霊って、逆に想像出来んしな。
『それにね。ミヒロの寝顔って、凄く可愛いし』
『あのなあ、寝顔をずっと見られてる方の身にもなれよ』
『嫌なの?』
『でもな、とりつかれてる以上、この環境は変わらないんだろ』
『正解! 』
『クイズ番組かよ。ったく』
『とりついた人がミヒロで良かった 』
『選べるのか?』
『分からない。ただ、とりつける人が初めて来てくれたのがミヒロだったから』
そんな会話をしていると、下から母さんの声がした。
「祐也。朝食できてるわよ」
「はーい」
キッチンには、2つ上の兄貴と母さんが座っている。
この時間は、父さんはもう仕事に出掛けている。
そして、その脇には栞。何とも複雑な気分だ。
「祐也。宿題終わったの?もう中学生じゃないんだから。しっかりしてね」
いつの世も母は強しか。
「俺ならもう、とっくに終わらせているよ」
兄貴は不躾にそういうと、あっという間に朝食をたいらげた。
「軽くウォーキングでもしてくるから」
「気をつけてね」
万事がこんな感じである。出来のいい兄貴と少し頼りない弟。
立ち位置がいささか問題ありだが、俺自身に向上心が無いと言うか。
『ミヒロ、朝食が終ったら宿題しよ。ね』
『あのなぁ、そういうのって俺のペースもあるだろ』
『そうなの?お母さんの口振りじゃそうは思えないけどな』
『まあ、確かに夏休みもそんなに残ってない。ここは観念して取り掛かるしかないか』
『うんうん』
栞は、何だか嬉しそうである。なんなんだ、こいつ。
※※※※※
流石の俺でも、何にも手をつけてない訳では無い。
得意科目は終わらせている。
逆に言えば、苦手な科目は殆ど手付かずな訳で。
特に数学。
まあ、これから手を付けるとするか。
『俺、数学苦手なんだよな』
『そんな事無いよ。ちゃんと公式を理解すれば大丈夫。とりあえず出してみて』
『お前分かるのかよ』
『こう見えて数学は得意だったのよ』
ノートを広げて問題にかかる。
『なるほど、分からん』
『はぁ、これって始めの方よね 。ちゃんと授業に出てた?』
『一応出てたぞ。一応な』
栞は、腕をぶんぶん振って気合いを入れているようだ。
『仕方ないわね。この栞先生が教えてあげるわ』
『え、お前が?そりゃまぁいいけど』
『うん。これだと、教えがいがあるわ。じゃ始めのところから。ここはこういう風に公式を使って……』
正直驚いた。先生の授業よりはるかに分かりやすい。
栞には聞きたい事もあるが、とりあえず今は宿題に集中だな。
※※※※※
『やれば出来るじゃない』
確かに昼前までにかなり進んでいた。
『これなら予定よりも、かなり早く終わりそうだ』
『へー。予定とか立ててたの?かなり怪しいんだけど』
『うっせ。ところでさ、昼から外出するか?特に欲しい物とかは無いんだけどな 』
『うん、行きたい!』
俺の周りを壁をすり抜けながら、クルクル回る栞。
余程嬉しいんだな。
そういう栞を見ていると、不思議と俺も気分が良くなってくるってもんだ。
「うお!」
よくよく考えてほしい。
寝起きにいきなり幽霊のドアップである。
驚くのも必然だろう。
『おはよう、ミヒロ』
『お、お前。いつからそこに居たんだ?』
『ずっとだよ。私、寝なくても全然平気だし』
まあ、確かに高いびきかいてる幽霊って、逆に想像出来んしな。
『それにね。ミヒロの寝顔って、凄く可愛いし』
『あのなあ、寝顔をずっと見られてる方の身にもなれよ』
『嫌なの?』
『でもな、とりつかれてる以上、この環境は変わらないんだろ』
『正解! 』
『クイズ番組かよ。ったく』
『とりついた人がミヒロで良かった 』
『選べるのか?』
『分からない。ただ、とりつける人が初めて来てくれたのがミヒロだったから』
そんな会話をしていると、下から母さんの声がした。
「祐也。朝食できてるわよ」
「はーい」
キッチンには、2つ上の兄貴と母さんが座っている。
この時間は、父さんはもう仕事に出掛けている。
そして、その脇には栞。何とも複雑な気分だ。
「祐也。宿題終わったの?もう中学生じゃないんだから。しっかりしてね」
いつの世も母は強しか。
「俺ならもう、とっくに終わらせているよ」
兄貴は不躾にそういうと、あっという間に朝食をたいらげた。
「軽くウォーキングでもしてくるから」
「気をつけてね」
万事がこんな感じである。出来のいい兄貴と少し頼りない弟。
立ち位置がいささか問題ありだが、俺自身に向上心が無いと言うか。
『ミヒロ、朝食が終ったら宿題しよ。ね』
『あのなぁ、そういうのって俺のペースもあるだろ』
『そうなの?お母さんの口振りじゃそうは思えないけどな』
『まあ、確かに夏休みもそんなに残ってない。ここは観念して取り掛かるしかないか』
『うんうん』
栞は、何だか嬉しそうである。なんなんだ、こいつ。
※※※※※
流石の俺でも、何にも手をつけてない訳では無い。
得意科目は終わらせている。
逆に言えば、苦手な科目は殆ど手付かずな訳で。
特に数学。
まあ、これから手を付けるとするか。
『俺、数学苦手なんだよな』
『そんな事無いよ。ちゃんと公式を理解すれば大丈夫。とりあえず出してみて』
『お前分かるのかよ』
『こう見えて数学は得意だったのよ』
ノートを広げて問題にかかる。
『なるほど、分からん』
『はぁ、これって始めの方よね 。ちゃんと授業に出てた?』
『一応出てたぞ。一応な』
栞は、腕をぶんぶん振って気合いを入れているようだ。
『仕方ないわね。この栞先生が教えてあげるわ』
『え、お前が?そりゃまぁいいけど』
『うん。これだと、教えがいがあるわ。じゃ始めのところから。ここはこういう風に公式を使って……』
正直驚いた。先生の授業よりはるかに分かりやすい。
栞には聞きたい事もあるが、とりあえず今は宿題に集中だな。
※※※※※
『やれば出来るじゃない』
確かに昼前までにかなり進んでいた。
『これなら予定よりも、かなり早く終わりそうだ』
『へー。予定とか立ててたの?かなり怪しいんだけど』
『うっせ。ところでさ、昼から外出するか?特に欲しい物とかは無いんだけどな 』
『うん、行きたい!』
俺の周りを壁をすり抜けながら、クルクル回る栞。
余程嬉しいんだな。
そういう栞を見ていると、不思議と俺も気分が良くなってくるってもんだ。
