「ミヒロ、起きろよ」
「うん、もう朝か。ってまだ6時じゃんか」
「服に着替えて神社へ行こうぜ」
「ここってそんなに大きな神社あるのか?」
「小さいけどな。いいじゃん、行こうぜ」
たまんない奴だ。
いそいそと服に着替え、階段を下りていく。
「涼、ご飯は?」
「あとでー。ちょっと神社へ行ってくるから」
こいつは小学生かよ、ったく。
「朝の空気美味いだろ」
「そうだな、それは確かに言えてる」
『栞は家からは出なかったのか』
『それは…うん、出なかった』
嘘だ。おそらくは、あの家に仏壇がある事と繋がると思う。
でも正直、その話しを聞くのが怖い気持ちもある。
「もうすぐだぞ」
それほど大きくない鳥居が見えてきた。
「俺、子供の頃はここによく来て遊んだんだ」
「そうか、お前の思い出の場所か」
「そう。姉ちゃんとよく遊んだんだ」
「お姉さんか」
「思い出すなぁ。姉ちゃんは足が早くて、全然追いつかなかったんだ」
『覚えてるか?』
『もちろんよ。涼がまだ小学1~2年くらいだったかな』
『私、いつも前を走っていたからね』
『学年が違いすぎるだろうに』
『まぁね』
大田がおみくじを引こうと言い出す。
「ああ、構わないぞ。だがな、賭けはしないからな」
「先に言われてしまったな。まあいいや。引こう」
どうもこいつと賭けをして、勝てる気がしないんだ。
そう言えば、ボーリングの賭けにもし勝っていたら、栞には会わなかったんだよな。
もしや、運命ってやつか。
太田が大吉を引きやがった。
「くっそー、やっぱ賭けておくべきだったな!」
「いいや、そうでもないぞ。おあいこだ」
俺の大吉のおみくじを見せる。
「なんだ、お前も大吉か。ここのおみくじって大吉しか入ってないんじゃないか」
「バチが当たるぞ」
「へー、ミヒロって案外信心深いんだな」
「一般論だ」
「それより、帰ろうぜ。朝食にしよう」
『正月早々元気なこって』
『確かにあれじゃお子ちゃまみたい』
『あーあ、とうとう実の姉にまで言われてしまったか』
『あれじゃあね』
俺達はその後、朝食そして昼食までご馳走になり、帰る事となった。
帰り際に、おばあさんが「これからも涼の事をよろしくお願いしますね」と俺に告げる。
その表情はとても穏やかだった。
「うん、もう朝か。ってまだ6時じゃんか」
「服に着替えて神社へ行こうぜ」
「ここってそんなに大きな神社あるのか?」
「小さいけどな。いいじゃん、行こうぜ」
たまんない奴だ。
いそいそと服に着替え、階段を下りていく。
「涼、ご飯は?」
「あとでー。ちょっと神社へ行ってくるから」
こいつは小学生かよ、ったく。
「朝の空気美味いだろ」
「そうだな、それは確かに言えてる」
『栞は家からは出なかったのか』
『それは…うん、出なかった』
嘘だ。おそらくは、あの家に仏壇がある事と繋がると思う。
でも正直、その話しを聞くのが怖い気持ちもある。
「もうすぐだぞ」
それほど大きくない鳥居が見えてきた。
「俺、子供の頃はここによく来て遊んだんだ」
「そうか、お前の思い出の場所か」
「そう。姉ちゃんとよく遊んだんだ」
「お姉さんか」
「思い出すなぁ。姉ちゃんは足が早くて、全然追いつかなかったんだ」
『覚えてるか?』
『もちろんよ。涼がまだ小学1~2年くらいだったかな』
『私、いつも前を走っていたからね』
『学年が違いすぎるだろうに』
『まぁね』
大田がおみくじを引こうと言い出す。
「ああ、構わないぞ。だがな、賭けはしないからな」
「先に言われてしまったな。まあいいや。引こう」
どうもこいつと賭けをして、勝てる気がしないんだ。
そう言えば、ボーリングの賭けにもし勝っていたら、栞には会わなかったんだよな。
もしや、運命ってやつか。
太田が大吉を引きやがった。
「くっそー、やっぱ賭けておくべきだったな!」
「いいや、そうでもないぞ。おあいこだ」
俺の大吉のおみくじを見せる。
「なんだ、お前も大吉か。ここのおみくじって大吉しか入ってないんじゃないか」
「バチが当たるぞ」
「へー、ミヒロって案外信心深いんだな」
「一般論だ」
「それより、帰ろうぜ。朝食にしよう」
『正月早々元気なこって』
『確かにあれじゃお子ちゃまみたい』
『あーあ、とうとう実の姉にまで言われてしまったか』
『あれじゃあね』
俺達はその後、朝食そして昼食までご馳走になり、帰る事となった。
帰り際に、おばあさんが「これからも涼の事をよろしくお願いしますね」と俺に告げる。
その表情はとても穏やかだった。
