次の日の練習にも中川の姿ががあった。それもギターを持参で。
俺達としては願ってもいないメンバー追加であるが、どうも釈然としない俺であった。
そして話しは翌週の事である。
『あのさ、中川ってなんでこの部に入る気になったのだろ』
『さーねー。うふふ』
『なんだよ。そのさもありなん、みたいな態度は』
『知らなければ知らなくていいんじゃないかなー』
『教えろよ』
『やーだ』
そういえば、いきなり来たわりには妙に溶け込んでいるように思える。
何なんだ、あいつは。
ちなみに、中川のギターテクニックはリクのものとは違い、技巧派と言うべきか色んなテクニックを持っていた。
意外かも知れないが、リクのギタープレイはハードなイメージ。それに対し中川は派手さは無いが、繊細なプレイ。と言ったところか。
そしてその中川は、口数は少ないがこの部の空気を読んでいる。そんな風に思えた
練習も終わり家路に着くのだが、俺とリクは同じ方向。なのに今日は五十嵐も着いてくる。メグと中川は反対方向に向かう。
「じゃーねー」
「また来週ねー」
そう言ってそれぞれに分かれるのだが。
「五十嵐、どうしたんだ?何か買い物か?」
「え?気づいていないの。ミヒロって鈍感ね」
リクもニコニコと笑っている。
「気づいてないって何がだよ。リクも笑ってねーで教えろよ」
「言ってもいいの、五十嵐さん」
「こんな鈍感バカは放っておきましょう」
「なんだよ、俺だけのけ者かよ。ちっ」
『栞も知ってるんだろ』
『状況を考えれば分かるでしょう』
『状況って。え、まさかそれはね』
『やっと気づいた?』
賢明な読者の方はとっくにお気づきの事と思いますが、一応説明しておきます。
俺達部員全員で中川のところに押しかけた際、中川はメグに一目惚れしてしまう。
その後、中川がとった行動はバンドを見学という行動に出る。
そして告白をしてメグはOKした。
そういえば、中川はメグに対し凄く親交的だったな。
何で気付かなかったんだろ。
五十嵐はこの二人に気を遣いいつもとは逆の道を歩いているのである。
なんてこった、俺だけ知らなかったとか。
「じゃあさ、五十嵐は遠回りで帰るんだよな」
「ちょっとしたウォーキングよ。ドラマーは体力勝負だからね」
「しかしさ。みんな気付いてるのにな。ひでー話しだ。」
「沖田だって気付いてたんだから、ミヒロがおバカなの」
『くっそー』
『うふふ』
『栞まで』
何はともあれ、五十嵐の人海戦術が功を奏したという結果だ。
栞じゃないが、やってみないと分からないもんだ。
5人目の俺達の部員を知りうる限り、紹介しておこう。
中川海斗1年2組。小学校の頃からピアノを習い、その後フォークギター、エレキギター、ベース、キーボードなど色々な楽器をこなすマルチプレイヤー。
中学時代は吹奏楽部で担当楽器はサックス。
豊富な音楽知識を持っており上級生からも一目おかれるも、馴れ合いに嫌気を差し2年で吹部を辞めている。
そして、現在はビートルズ研究会に身を置いている。
俺達としては願ってもいないメンバー追加であるが、どうも釈然としない俺であった。
そして話しは翌週の事である。
『あのさ、中川ってなんでこの部に入る気になったのだろ』
『さーねー。うふふ』
『なんだよ。そのさもありなん、みたいな態度は』
『知らなければ知らなくていいんじゃないかなー』
『教えろよ』
『やーだ』
そういえば、いきなり来たわりには妙に溶け込んでいるように思える。
何なんだ、あいつは。
ちなみに、中川のギターテクニックはリクのものとは違い、技巧派と言うべきか色んなテクニックを持っていた。
意外かも知れないが、リクのギタープレイはハードなイメージ。それに対し中川は派手さは無いが、繊細なプレイ。と言ったところか。
そしてその中川は、口数は少ないがこの部の空気を読んでいる。そんな風に思えた
練習も終わり家路に着くのだが、俺とリクは同じ方向。なのに今日は五十嵐も着いてくる。メグと中川は反対方向に向かう。
「じゃーねー」
「また来週ねー」
そう言ってそれぞれに分かれるのだが。
「五十嵐、どうしたんだ?何か買い物か?」
「え?気づいていないの。ミヒロって鈍感ね」
リクもニコニコと笑っている。
「気づいてないって何がだよ。リクも笑ってねーで教えろよ」
「言ってもいいの、五十嵐さん」
「こんな鈍感バカは放っておきましょう」
「なんだよ、俺だけのけ者かよ。ちっ」
『栞も知ってるんだろ』
『状況を考えれば分かるでしょう』
『状況って。え、まさかそれはね』
『やっと気づいた?』
賢明な読者の方はとっくにお気づきの事と思いますが、一応説明しておきます。
俺達部員全員で中川のところに押しかけた際、中川はメグに一目惚れしてしまう。
その後、中川がとった行動はバンドを見学という行動に出る。
そして告白をしてメグはOKした。
そういえば、中川はメグに対し凄く親交的だったな。
何で気付かなかったんだろ。
五十嵐はこの二人に気を遣いいつもとは逆の道を歩いているのである。
なんてこった、俺だけ知らなかったとか。
「じゃあさ、五十嵐は遠回りで帰るんだよな」
「ちょっとしたウォーキングよ。ドラマーは体力勝負だからね」
「しかしさ。みんな気付いてるのにな。ひでー話しだ。」
「沖田だって気付いてたんだから、ミヒロがおバカなの」
『くっそー』
『うふふ』
『栞まで』
何はともあれ、五十嵐の人海戦術が功を奏したという結果だ。
栞じゃないが、やってみないと分からないもんだ。
5人目の俺達の部員を知りうる限り、紹介しておこう。
中川海斗1年2組。小学校の頃からピアノを習い、その後フォークギター、エレキギター、ベース、キーボードなど色々な楽器をこなすマルチプレイヤー。
中学時代は吹奏楽部で担当楽器はサックス。
豊富な音楽知識を持っており上級生からも一目おかれるも、馴れ合いに嫌気を差し2年で吹部を辞めている。
そして、現在はビートルズ研究会に身を置いている。
