翌日、五十嵐がまたしても昼休みに教室に入ってくる。
「さあさあ、勧誘にいくわよ!」
そう言うと俺とメグの腕を掴み廊下に連れ出す。
廊下には既に連れ出されているリクが、小さくなって立っている。
「お前さ、そんな事しなくても着いて行くって。後ろ見ろよ」
1組の数人がこっちを見ている。
「よくもまあ、いつもいつも。こうも問題事を増やしてくれるな」
「いいからいいから、さあ中川のところに行くわよ」
しかし本当に人海戦術に出るとは。
「中川君、ほらうちの部員も連れてきたから!」
「誰もそんな事頼んでないからな」
ごもっともです。
「紹介するわ。ビートルズ研究会の部長三田君」
「……」
「どもです」
おそらく知っているだろうが。
「それで、この子が沖田君」
「……」
「沖田です」
言わされる感がハンパないなぁ。
「それで、この子がマネージャーの新田さん」
「え、あ、いや、何でもない」
「新田です。よろしくね」
なんだ、今の反応は。
『栞、どうおもう?』
『よく分からないけど、何かありそう』
『だよな』
やはりと言うか当然と言うか、中川はにべもなく断る。
「とにかく帰ってくれ。迷惑だ」
「そんな言い方ないでしょう。もういい!」
まぁ、そうでしょうね。
俺達はとりあずえず廊下に戻り、部室で新たな作戦を考えるという約束を取り付けられた。
教室に戻った俺に大田が声をかけてくる。
「ミヒロさぁ、また派手にやらかしてるなぁ」
「それを言うな。そもそも俺の意思じゃねぇし」
「そうなのか。俺の目にはお前が先頭に立ってるように思えるが」
「あれがか」
「まぁ、どっちでもいいがな」
まぁ、そうそう簡単に中川も折れないだろうし。持久戦になるかな。
とばっちり食うのは勘弁してほしいが。
そう。この話しは時間がかかると思っていた。
それだけに、その日の放課後の(訪問者)に俺はかなり驚いた。
中川だ。
俺達の練習をみたい。そう言ってる。
青天の霹靂とでも言おうか。
草野といい、中川といい、どうしてそんなにこの部が気になるんだ?
まさかと思うが、あんな勧誘で入る気になったとか。
そんな事を考えながら、中川を連れ立って部室に向かっている。
「中川、お前はどうしてこの部の練習に興味を示したんだ」
俺は歩きながら聞いてみる。
「それは……俺はとにかく練習が見たい。見学を……」
中川はそれだけを言い、口をつむいでしまった。
部室に着いた。鍵を開けるとほぼ同時に五十嵐が後ろから声をかける。
「ミヒロと……なか、がわ?」
驚くのも無理はない。俺だって未だに奴が何を考えてるのか理解不能なんだしな。
「見学だって。よろしくしてやってくれよ」
「もちろんよ。さあさあ、入った入った」
その後にリクとメグも到着。
しかし、何故だろうか。全員が集まってからの中川は一切口を聞かなくなった。
「そんじゃあ、始めるよ!」
声を出したのは五十嵐だった。
スティックでカウントを取り、いつもの曲を始める。
やはり、ジョージのパートはあった方がいい。
中川はその気があってここに来てるのだろう。
ジャジャジャーン!
曲が終わる。
中川に聞いてみる。
「どうだ、こんな感じだ。やはりな、ジョージのパート必要だろ」
「そ、そうだな」
まるで上の空のようだ。
一体何をしに来たんだろう。
そんな時だった。中川が思いがけない事をいい始めたのは。
「俺、この部に入る。明日ギターを用意するから、よろしく」
それだけを言い、部屋から出て行った。
『なんだ、あいつ』
『うーん、でも入ってくれるみたいだから、良かったじゃない』
『そりゃそうだけど、意味分かんねー』
疑問符がみんなの頭の中を通り過ぎ、その日は早々に練習を終えた。
「さあさあ、勧誘にいくわよ!」
そう言うと俺とメグの腕を掴み廊下に連れ出す。
廊下には既に連れ出されているリクが、小さくなって立っている。
「お前さ、そんな事しなくても着いて行くって。後ろ見ろよ」
1組の数人がこっちを見ている。
「よくもまあ、いつもいつも。こうも問題事を増やしてくれるな」
「いいからいいから、さあ中川のところに行くわよ」
しかし本当に人海戦術に出るとは。
「中川君、ほらうちの部員も連れてきたから!」
「誰もそんな事頼んでないからな」
ごもっともです。
「紹介するわ。ビートルズ研究会の部長三田君」
「……」
「どもです」
おそらく知っているだろうが。
「それで、この子が沖田君」
「……」
「沖田です」
言わされる感がハンパないなぁ。
「それで、この子がマネージャーの新田さん」
「え、あ、いや、何でもない」
「新田です。よろしくね」
なんだ、今の反応は。
『栞、どうおもう?』
『よく分からないけど、何かありそう』
『だよな』
やはりと言うか当然と言うか、中川はにべもなく断る。
「とにかく帰ってくれ。迷惑だ」
「そんな言い方ないでしょう。もういい!」
まぁ、そうでしょうね。
俺達はとりあずえず廊下に戻り、部室で新たな作戦を考えるという約束を取り付けられた。
教室に戻った俺に大田が声をかけてくる。
「ミヒロさぁ、また派手にやらかしてるなぁ」
「それを言うな。そもそも俺の意思じゃねぇし」
「そうなのか。俺の目にはお前が先頭に立ってるように思えるが」
「あれがか」
「まぁ、どっちでもいいがな」
まぁ、そうそう簡単に中川も折れないだろうし。持久戦になるかな。
とばっちり食うのは勘弁してほしいが。
そう。この話しは時間がかかると思っていた。
それだけに、その日の放課後の(訪問者)に俺はかなり驚いた。
中川だ。
俺達の練習をみたい。そう言ってる。
青天の霹靂とでも言おうか。
草野といい、中川といい、どうしてそんなにこの部が気になるんだ?
まさかと思うが、あんな勧誘で入る気になったとか。
そんな事を考えながら、中川を連れ立って部室に向かっている。
「中川、お前はどうしてこの部の練習に興味を示したんだ」
俺は歩きながら聞いてみる。
「それは……俺はとにかく練習が見たい。見学を……」
中川はそれだけを言い、口をつむいでしまった。
部室に着いた。鍵を開けるとほぼ同時に五十嵐が後ろから声をかける。
「ミヒロと……なか、がわ?」
驚くのも無理はない。俺だって未だに奴が何を考えてるのか理解不能なんだしな。
「見学だって。よろしくしてやってくれよ」
「もちろんよ。さあさあ、入った入った」
その後にリクとメグも到着。
しかし、何故だろうか。全員が集まってからの中川は一切口を聞かなくなった。
「そんじゃあ、始めるよ!」
声を出したのは五十嵐だった。
スティックでカウントを取り、いつもの曲を始める。
やはり、ジョージのパートはあった方がいい。
中川はその気があってここに来てるのだろう。
ジャジャジャーン!
曲が終わる。
中川に聞いてみる。
「どうだ、こんな感じだ。やはりな、ジョージのパート必要だろ」
「そ、そうだな」
まるで上の空のようだ。
一体何をしに来たんだろう。
そんな時だった。中川が思いがけない事をいい始めたのは。
「俺、この部に入る。明日ギターを用意するから、よろしく」
それだけを言い、部屋から出て行った。
『なんだ、あいつ』
『うーん、でも入ってくれるみたいだから、良かったじゃない』
『そりゃそうだけど、意味分かんねー』
疑問符がみんなの頭の中を通り過ぎ、その日は早々に練習を終えた。
