色んな事があった文化祭も終わり、普通の日常が戻ってきた。

『ねえねえミヒロ。明後日って何の日か分かる?』
『またクイズか?うーん、花と虹の発売日でも無いし、何だろ。栞の誕生日か、もしかして』
『お、あったり〜』
『当ててしまったか。そっか、明後日だな。特に用事も無いしな。どうだ、どこかに出掛けるか。食事とか。あ、でもお前は食べられないか』

栞はフワッと身体を揺らし。

『食事いいね。和食にしようよ』
『和食か。ショッピングモールの少し先に和食のレストランがあるから、そこでいいか?』
『私ね。ミヒロが美味しそうに食べてるのを、見てるだけで嬉しくなるの』
『そっか。あれだな、ちょっとしたデートだな』
『うん、楽しみにしてるね』


※※※※※


翌日、俺は教室で空を見ながら、栞といつものように会話をしていた。
声を掛けてきたのは、大田だった。

「よう。俺思ったんだけど、この間の文化祭さ。ミヒロってリーダーシップとれるんだなって。始めて知ったよ」

あれはな。お前の姉ちゃん、栞の後押しのお陰だけどな。

「やりたくてやったと言うより、やらなきゃいけないなって思ったからだよ」
「ふーん。どっちにしてもよく分からん奴だよ。お前は」
「でもさ、終わっちまったらあっと言う間だったな」
「そうだな」

そんな会話をしているところに入ってきたのは、委員長だった。

「三田君」
「何か用か」
「文化祭の時の君の活躍には、目を見張るものがあった。事実私達も見習う事も多かった」
「大袈裟だよ」

委員長は1つ深呼吸をし。

「それで話しなのだが、2年に上がれば生徒会に入らないか。君ならみんな歓迎してくれる筈だ」

何を言い出すんだ。これはまさかの勧誘だぜ。

「すまんがな、その手の話しは俺には荷が重いぜ」
「もちろん今すぐにとは言わない。2年までにはまだ時間がある。考えておいてほしい。それでは」

委員長はそれだけを言うと、教室から出ていった。

「柄じゃねーっての、俺が生徒会とか。あり得ねーって、ったく」
「確かに、ミヒロが生徒会とか、笑っちゃうよな」

大田はカラカラと笑う。

『栞はどう思う?』
『うーん、どうかな』
『へー。てっきり「いいんじゃない」とか、「やってみなよ」とか言うのかと思っていたからな』
『正直、よく分かんないんだ。生徒会って』
『ふーん。まぁ、そうかもな』