斎藤さんは黙り込んだまま、自分の湯飲みに手をかけた。


私だって喉カラッカラだけど今飲んだらその飲み込む喉の音が変にこの空間に響きそうで、遠慮してるのに。
そのくらい、緊張してるのに。

今斎藤さんの返事待ちなのに。


斎藤さんは、なんでこんなときまで落ち着いてるんだろう。

こんな小娘に告白されたって余裕?取り乱さない?

そりゃ斎藤さんは、そうかもしれないけど。
でも、私は、私は。


「斎藤さん、前私がパンツ見せるとか、って言ったとき、それはいちころでしょうって言いましたよね」
「言いましたね」


言いましたね。
そう言って斎藤さんは、とうとう湯飲みを口につけた。


なんだか私は、悔しくて。

もうやけくそだった。


勢いよく、スカートをめくってみせた。


「ぶっ!」


斎藤さんは口に含んだお茶を見事に吹き出した。