強がりで出た言葉ではあったけど、本当に伝えたい、聞いてほしい、という思いもある。今、私が修一さんのどこが好きなのか。


「仕事で疲れてるはずなのに愚痴ったりせず優しいままなのと、あと美味しそうに料理食べてくれるし」
「うん」


修一さんは私の一言一言嬉しそうに頷いて、そして優しく私の右頬に触れてきた。
瞬間、思わずピクリと肩が揺れてしまったけど、そのまま続ける。

だって、まだまだ、語り足りない。


「あと、私を見つめる目がなんというか優しくて、見つめられてるだけで愛されてる実感が沸くといいますか……」


あ、やばい。これかなり恥ずい。

顔に熱が集まるのを感じる程で、おそらく今真っ赤であろう右頬に添えられた手は、そのまま私の頬をすっと撫でてくる。


「声も好きだし、大きい手も安心して好きだし、匂いも好きだし……あの、」
「ん?続けて?」
「いやいやなんか手つきがエロいんですけど」
「だってそういう気持ちで触れてるもん」


開き直ってきた修一さんは今度は左頬にも手を添えてきて、私はどこを見れば良いのか分からなくなる。


「……良い?」


コツンと優しく自分のおでこを私のおでこに合わせてそう尋ねてきた修一さんの頬も、うっすらと赤い。

断れる、わけがない。


小さく頷くと、ゆっくり唇が触れて、そのまま優しくソファーに押し倒された。