その日の夜、喉が乾いて目を覚ますと、いつも隣にいる修一さんのスペースが空いていた。
寝室の扉をそっと開けると、ソファーで修一さんが項垂れてる。
「暗っ」
思わず言葉が漏れると、修一さんが顔を上げた。
「あ……百合。寝れなくてさあ」
「ショック受けすぎです」
「ショックだよそりゃ……」
そっと修一さんの隣に腰掛けた。
「仕方ないですよ出会ったとき既に斎藤さん二十四でしたもん」
「うん……」
どうしたら機嫌直るかなー、とまた頭を抱える修一さん。
「そういえば今日、沙紀になんで修一さんを好きになったのかってことも聞かれたんです」
気を紛らすように話すと、ぱっと修一さんの顔が上がった。
「そういえば……俺がずっと前にそれ聞いたとき答えてくれなかった」
「そうでしたっけ?別に隠す程のものでもないけど。あの鍵の件とキーホルダーを貰ったのが大きいかな。あとはやっぱり、決定的なのが〝可愛いですね〟って言われたこと」

