「隼人、沙紀……大きくなったなあ……」


隣で、スーツ姿の愛しい人が涙をこらえてハンカチを握りしめてる。


「修一さん、泣くならせめて卒園式にしてくださいよ」
「泣かないよ……!」


結婚して一年半後、生まれた愛しい我が子はなんと双子で。家族が一気に増えたようだった。


隼人と沙紀。
今日はそんな二人の、入学式。


隼人はぼんやり口を開けたまま入場してきて、うっかり鼻でもほじりそうな表情。

沙紀は誰より胸を張って元気良く入場、「私を見て」と言わんばかりだ。


「やばいうちの子が一番可愛い……」
「ハハ……」

まさか修一さんがこんなにデレデレパパになるとは思わなかった。