「そうですよ。良かったですね、トミーの手に渡らなくて!本当はスクール水着の写真もあれば強いかなーって思ったんですけど、もう水泳終わってるんで無理でした残念」
「そんなもん撮影したら退学に追い込みますよ」
「……うす」
さすがに本気でキレそうになって、笑顔で脅すと大人しくなった。
本当に、とんでもなく危ない男だ。
「……怒ってますか?」
「当たり前ですよね?」
「すみませんなんか……あ、お詫びとして!俺シンデレラ役するんすけど、」
「見れば分かります」
「劇終わったらこれまえほっぴーに着させますよ!シンデレラになったまえほっぴーと今日は一日楽しんでくださいよ!」
ふ、と。彼の格好を上から下まで見る。
「そういえば、背あんまり変わりませんね」
「う、ま、まあ白状すると、まえほっぴーのが五センチ高いんすけど……まあそうっすよね、サイズ的には多分問題ないすね」
彼のシンデレラ姿には当然何のときめきも感じない、けど。
いつもジャージ姿で僕の前に現れる前原さん、唯一見たお洒落な姿が他の男とのデートの前の姿とか、悲しすぎる。
あと単純に、前原さんのその姿を見たい。
絶対可愛い。
堀井くん、いや、ホーリーくんと無言で手を取り合った。

