「んー……そうだね、えっとね」


苦笑いで返事に迷ってる前原さんが「そうだね智輝くんが十八になったらね」なんて言い出す前に、智輝の体を無理矢理こっちに向かせた。


「智輝が大きくなったら、前原さんは多分俺と結婚してるから無理だよ」


思いきり優しい笑顔と声で教えてあげた。


「子供の言うことなんだから」と、宥めるように兄ちゃんに言われたけど、前原さんの彼氏はこの俺だ。
彼氏の前でやすやすとプロポーズするとは良い度胸だ。


「俺が大きくなったら修一なんかもうおじいさんだろ」
「そう思うんならじいさんに譲れ!」
「やだ!」
「オレンジジュース買ってやっただろうが!」
「じゃあもうオレンジジュース一生我慢するもん!」
「うっ、そう来たか……」


くだらない喧嘩を繰り広げる俺と智輝に呆れた二人は、その隣で散らかしまくったテーブルの上を片付けてくれていた。