いつの間にか眠ってしまったみたいだ……。

テーブルに突っ伏していた顔を上げると兄ちゃんもイビキをかいていて、テーブルの上は散らかりまくっていた。


やばい今何時だ智輝迎えにいかなきゃ……、とぼんやりした頭で考えていると、スマホが震えた。

そしてそのすぐあとに、妙なメロディーが鳴り始めた。これ……まさか、

名前を確認すると、〝斉藤修一〟。


「うわあああ!!」
「うおおビビったどうした修一!」


スマホを放り投げて後ずさった。
……ちょっと待て?なんかデジャブ。


「あ……ごめん何でもない……」


俺の大きな叫び声に目覚めて俺を見る兄ちゃんに謝った。

そうだこの前前原さんのイタズラでこう設定されてそのまま直してなかったんだ……。
と、思い直して、電話に出た。


「もしもし」
『前原ですー、あ、斎藤さん寝てました?』
「よく分かりますね」
『分かります。そろそろ五時ですけど智輝くん連れてった方が良いかと思いまして』
「五時!?うっわ、すみません遅くまで……!」
『いえいえ全然、今からそっち行きます。じゃ』


通話が切れて本当にその三十秒後くらいにインターフォンが鳴った。

玄関に向かうついでに、また眠りにつこうとしていた兄ちゃんを蹴りあげていった。