お母さんが起きてきたのだ。 「はぁ、良い夢見たわぁ。 もう言葉じゃ表せないくらいのねぇ。」 お母さんの口は止まらない。 「どんな夢かって? お父さんとお母さんの昔の頃の…」 「俺らそんなん聞いてないぞ。 早く飯食おうぜ。」 たっくんは腹ペコだったようだ。 そう言われてみんな席に着く。 「昔」と聞くと、なぜかぞわっとする。 何か忘れてはいけない事を忘れているような。 難しいことを考えるのはやめよう。