「いい。俺が払う」


なんてこともないように私の問題を一蹴する。む、無理です。


一歩踏み出すなんてやっぱり無理!


私にはお金も、そんなことしてもらう義理もないもの。


なんとかして断らなきゃ。



「あの、今日会ったばかりの見ず知らずの方に奢ってもらうわけにはいかないです…」


また、眉がよってる。


「入江響也。32歳。これで知らない仲じゃねえだろ」


なんて横暴な。


「いやいや!だめですって」


「ごちゃごちゃうるせえ。いいから行くぞ」


しびれを切らした入江さんに手首を掴まれ無理やり立たされる。