「もうバラされてもいいよ」
「は……?」
「……好きだよ、日野ちゃん」
日野ちゃんは無言で俺を見つめている。
心なしかその目が少し潤んでいるようにも見える。
「本性が知れてまわりからどんなに嫌われようが、喫煙が知れて停学になろうが。……そんなのどうでもよくなるくらい、日野ちゃんが好きだ」
日野ちゃんは近付いていた顔を、俺から離す。
俺も日野ちゃんの手を離す。
日野ちゃんはまた、泣きそうな顔をしている。
どうして俺はこうも、大好きな女の子を泣かせてしまうんだろう。
だけど日野ちゃんは最後まで涙を溢さないまま、その場をあとにした。
「……だったら、その気持ち捨てて。私のこと好きだって気持ち。命令ね」
──そう、言い捨てて。

