可愛らしく、本当に嬉しそうな笑顔を見せるひかり。

日野雄大はその隣で、穏やかな微笑みを見せている。

教室で見せる日野くんの笑顔とも似ているけど、どこか違う、本物の微笑み。
日野雄大としての微笑みでありながら、本当の優しさの籠った、微笑み。


……その笑い方を知っているのは、私だけだと思っていた。たとえ日野雄大に彼女ができても。

だけどそんなことないんだ。
自意識過剰だ、私。


「ねぇ、日野くん」


ひかりの声が、私の耳にも届く。


「私、日野くんが好き。……日野くんは、私のことちゃんと、好き?」


……どこか不安と悲しみの籠ったひかりの声に、私まで胸がドキリとした。