「よう」
放課後になり、私がいつもの場所に行くと日野雄大は既にベンチに座っていて。
私の姿を見つけると右手を軽く上げた。
日野雄大の目の前まで歩き、ベンチには座らず、日野雄大を正面から見下ろす。
「簡潔に言うね」
「はい」
「明日、ひかりが日野雄大に告白する」
「ひかり?……田嶋さん?」
「そう」
日野雄大はきょとんと私を見上げている。
なんでわざわざそんなことを俺に直接言うんだ。とでも言いたげ。
「……あんたは、ひかりと付き合うの」
「え?」
「告白、オッケーしろって言ってんの」
きょとん、から、ぽかーん。になった。
そのうち、日野雄大の眉間には徐々に皺が寄る。
「俺に、好きでもない子と付き合えっての」
日野雄大は生意気に私のことを睨み付ける。
……いや、日野雄大が正しいのかもしれない。
「それって本当に最低だろ。……日野ちゃん、俺の腐った性格直してくれんじゃなかったの」

