日野雄大はクラスで一番性格が悪い



会計を済ましてからコンビニの外のベンチに二人で座る。

俺がストロベリー味を、日野ちゃんがバナナ味のアイスを手に持って、二人で食べる。

ちらりと横を見るとアイスを見つめている目がキラキラしていて、思わず笑ってしまった。


「私は良い奴隷を持って幸せ」
「単純だな日野ちゃんは」
「主人が喜んでんだから喜ぶの、奴隷は」


日野ちゃんはご機嫌だった。


だから余計に、颯太さんのことが頭にやってきて、俺の思考を満たしてしまって消えなかったんだと思う。

……日野ちゃんは、家に帰ったらまた颯太さんの部屋へ行って、存在するはずのない颯太と話をするのかな。


「……何じーっと見てんの?きもいんだけど」
「日野ちゃん、」
「何?」


たしかに日野ちゃんが、颯太さんの死に気付けば、もしかしたら自らその命を絶ってしまうかもしれない。


だけど、だからって、日野ちゃんはずっとこのままなのか……?

日野ちゃんは一生、颯太さんの死と向き合うことなく、真実を受け止めないのか……?


──そんなの、一番可哀想な生き方だろ。