──自殺。
俺が想定していたどの言葉よりも、衝撃的だった。
「なん、で……」
「その一ヶ月前に、主人が交通事故で亡くなってるの」
確かにこの家にはなんとなく、父親というものの存在が感じられなかった。
なんとなく、母子家庭の俺の家と同じような感じがしていた。
じゃあ、その後を追って……?
そんな俺の考えはあっさりと打ち砕かれる。
「……その、責任を感じてね、首を吊ったの」
──責任?
表情もなく淡々と話し続ける日野ちゃんのお母さんを、怖いと思うのに、視線を外すことができない。
何だよ責任って。意味分かんねぇよ。

