日野雄大はクラスで一番性格が悪い



お母さんの動きが少し止まって、また動く。
レジ袋のガサゴソいう音が耳に届く。


「そう」


それだけ答えてお母さんはまた冷蔵庫にしまっていく。

あっさりとした反応だ。


「怒らないの……?」
「どうしてお母さんが怒るのよ」


全てを冷蔵庫にしまい終わったお母さんが冷蔵庫の扉を閉めて、呆れたように笑って言った。

背中を向けていたお母さんと目が合う。


「どうして、って……」


そこで口ごもってしまう。


「お母さんが雄大くんのこと、一生認められないから?そんな人のお見舞いに行くのは、後ろめたい?」


お母さんは私が言いたかったことを、だけど言いにくかったことを、しれっと言ってのけた。

私はぎこちなく頷く。

お母さんはまた私を呆れたように見た。


「雪那はお母さんが認める人間しか、愛せないの?そんなに親離れできていない子だった?」