すっかり安心しきっていた昼休み。
俺は例の裏庭に来ていた。

いつものようにベンチに座る。


……落ち着く。


ポケットから煙草を一本取り出して火をつける。

ここはどうやら全く人が来ないらしい。
裏庭なんて元々そんなに皆寄り付かなくて、せっかくあるベンチも勿体ない。

だけど俺には好都合。学校の中で煙草が吸える場所なんてなかなか無いからな。


こうやってここで煙草をくわえながらぼんやりする時間は、とても穏やかで有意義なものだ。



「やっほー、日野雄大!」


そんな俺の一時を邪魔するやつがやって来た。

……ああ、やっぱり昨日の出来事は夢じゃなかったのかと、クラクラ目眩がする。