ぼんやりとした頭で屋上までやって来て、そこから飛び降りることには、何一つ抵抗はなかった。

俺が生きていて日野ちゃんを苦しめることしかできないなら。

俺が死ぬことが日野ちゃんの望みなら。

俺が選ぶ道は、それしかなかった。


そのくらい俺の人生は日野ちゃん中心なんだ。というか日野ちゃんしか居ないんだ。


──世界が全て逆さまに見えて、真っ暗になった。

直前に見たのは、雪の降る少し暗い空。