膝が冷たくてじんじん痛むのに、動けなかった。


嗚咽を漏らしながら泣いていると、スカートのポケットの中でスマホが振動したのを感じた。

出る気になんてとてもなれなかったけど、いつまでたってもそれは止まない。

仕方なく取り出した。


ひかりからの着信だ。


「もしも」
『雪那っ!大変、日野くんが……!』


私の声を遮ったひかりの声は、今まで聞いたことがない程に動揺していた。