日野くんから逃げるように学校を出て、駅までの道のりを走る。
少しずつ雪が激しくなっている。
「はぁ……」
立ち止まって、手袋をしたままの手をかざすと、そこに雪が落ちてきて溶けた。
じわりと目頭が熱くなる。
どうしようもできない想いが渦巻く。
両手から手袋を外して、力一杯に雪の地面に投げつけた。
ぱさっ、と小さな音が鳴るだけ。
「悔しい……」
足の力が抜けて、雪の地面に膝を着いた。
ポタリ、と。
涙が溢れて、それは雪の中に溶け込む。
日野雄大……日野くんのお父さんが居眠り運転なんてしなければ。それさえなければ。……私は何一つ苦しまずに済んだ。
もし生きていたら、私は殺しているかもしれない。日野くんのお父さんを。
それ程に、憎い。

