「……昨日、これ取りに戻らなければ良かった」
そう言って日野雄大の手から、手袋を取る。
「日野ちゃん、」
日野雄大の泣き顔は、何よりも、私の胸を苦しくさせる。
「……俺たちは、別れるの?」
すがるような、弱々しい目をする日野雄大。
私は、日野雄大が嫌い。憎い。
だから。
「当たり前でしょ」
別れる以外、道は無い。
「私はね、一生あんたのことが世界で一番嫌いだし、憎いし、許せない」
そっか。と、日野雄大が小さく言った。
──「じゃあね、日野くん」
日野くん。いつぶりにその呼び方をしただろう。
それはもう、彼氏でも奴隷でもないという意味。
涙で濡れた日野くんの目が、更に悲しく揺れたのを見た。

