「……日野ちゃん?」 受け取らない私の顔を、不思議そうに、ベンチに座らず立ったまま腰を屈めて、覗き込む日野雄大。 どうしようもなく愛しい。 だけど、どうしようもなく憎い。 「……日野雄大」 俯いていた顔を上げると、すぐそばに日野雄大の綺麗な顔があった。 そっとその頬に触れた。 「日野ちゃ、」 その言葉を遮るように、 私は日野雄大の唇に、自分の唇を重ねた。 ──私たちの初めてのキス。 ──最初で、最後のキスだ。