「ごめん。返さなきゃって思いながら寝ちゃった。別に平気だったよ」 「そっか。だったら良いんだ」 日野雄大はいつも通り優しく微笑んだけど、やっぱりそれはどこかぎこちなかった。 だけどきっとそれは、私も昨日あの会話を聞いていたから感じられるんだろう。 そのくらい、日野雄大の笑顔は自然だった。 やっぱり嘘をつくのが上手だ。 私たちは今日の昼休みもあそこのベンチに二人、座るだろう。 ──それでもう、最後にしよう。