「あなたの父親……私の旦那、あの人が亡くなった理由を、はぐらかしてきた私が悪いわ」
そうだ。お前が悪い。
「あの人が亡くなった理由は、交通事故よ」
何もかも。お前が。
俺はただ、恋をして、愛しただけ。
「その事故で死んだ人、もう一人居てね」
なあ、どうしてなんだ。
やっとちゃんと、真っ直ぐ生きていけると思った。
日野ちゃんが、救ってくれた。なのに。
「私の旦那は、加害者側。当然ね、居眠り運転だもの。あの人も即死だったけど……」
俺は正直、父親のことなんて全く記憶に無いんだ。
顔だって、写真で見たのを知ってるくらい。
だからあいつに、何の感情も沸かない。
「あの事故で死んだもう一人の人、私たちと同じ名字……日野、って言ったわ」
──ああ。やっぱり。
俺が今更ちゃんと生きていこうなんて、虫の良い話だったんだ。
そんなの、許されるはずがなかったんだ。
だけど。
「あの子、あんたの彼女、日野雪那ちゃんの……父親よ」
俺には一生こういう人生がお似合いだよ。
こういう運命を背負わされても仕方ないくらい、最低な人間なんだ。
だけど。
日野ちゃんは関係ないだろ……?
日野ちゃんまで苦しむ必要は、ないだろ……?

