その後なんとか自分を制止した俺は、日野ちゃんがテストで間違った問題をようやく全て教えおわった。
「なんだ簡単じゃん!私これでもう全部解けるよ!次は楽勝かも」
「良かった良かった」
日野ちゃんその台詞この間も言ってたけど。
……まあいいか。
あとは試験が始まるとパニックになるっていうのが無ければなんとかなると思うんだけど、それは直らなくていいか。可愛いから。
「日野ちゃん取り敢えず一旦休け」
「じゃあ次は生物ね!」
「いやちょっと休憩……」
えー、と日野ちゃんは不満そうに声を漏らす。
日野ちゃんは頭は対して良くない、いや、あの学校に合格したんだから世間的には良いんだろうけど。
だけど、学年順位で言えば、真ん中より少し下くらい。
……それなのに集中力の持続だけは、俺以上だ。ちょっと辛い。
「日野雄大ってすぐ集中切れちゃうね」
「いや日野ちゃんが異常なんだろ」
「つまんないー」
俺がベッドに横になった隣で、日野ちゃんは椅子をぐるぐる回して遊んでいる。
……小学生か。

