「……あ」
突然日野雄大が声を漏らした。
隣を見ると日野雄大と目が合う。
「日野ちゃん。こうやって二人で飯食べてると分かったわ、やっと。一人だと確かに寂しいかもな」
新発見とでも言うように日野雄大の目は丸い。
「でしょ?やっぱり寂しいって」
「うん。でも近いうち日野ちゃんがお嫁に来てくれるから平気」
「そんなこと言った覚えはない」
「でも来てくれるんだろ?」
日野雄大はどうしてこういうこと恥ずかしげもなく言えちゃうんだろう。
また顔に熱が集まってきた。
「それは……行くかもしれないけど……」
「約束な。そしたら俺、月一でこのカツ丼つくってやるから」
それなら尚更嫁入りしたい。
とは本人には言わないけど、それくらい美味しい。

